再生エネ比率、2035年に六割へ 政府が新エネルギー戦略を提示
電力構成の目標を10年ぶりに全面改定する。洋上風力の入札枠を倍増させる一方、送電網の増強費用の負担配分をめぐって地方自治体との調整が難航している。関係者への取材で明らかになった。
政府は28日、次期エネルギー基本計画の骨子を関係閣僚会議に示した。2035年度の電源構成に占める再生可能エネルギーの比率を約六割とし、現行計画から大幅に引き上げる。原子力は二割程度を維持し、火力の比率を段階的に下げる。
柱となるのは洋上風力の加速だ。政府は入札の対象海域を年内に追加公表し、2030年代前半までの累計導入量の目標を倍増させる方針。あわせて、系統接続の順番待ちを解消するための優先ルールを見直す。
一方で、送電網の増強には10年間で数兆円規模の投資が必要とされる。費用の一部は託送料金を通じて電気料金に転嫁される見通しで、負担配分をめぐる調整は難航している。ある自治体の担当者は「地域が負担して都市が使う構図は説明できない」と話す。
「目標の数字より、送電網をだれが設計するのかが本質だ」
審議会の委員を務める専門家はこう指摘する。事業者の投資判断には10年単位の予見性が必要で、制度が短期間で揺らげば計画が止まる。実際、昨年度の入札では応札の辞退が相次いだ。
今回の骨子には、需給調整市場の再設計と、蓄電池への投資に対する新たな支援枠も含まれる。政府は年内に詳細を詰め、来年の通常国会で関連法案の提出を目指す。